法輪花曼荼羅について


私が金剛乗寺の住職となった頃から、祈願に来られた方々の問題・因縁などを見る時に、当山の諸尊の真言を

唱えるのを常としていた。本尊薬師如来・大日如来・弥勒菩薩・弘法大師・地蔵菩薩・観音様・不動明王・聖天・・・

そしてそれはいつしか、この身の中に諸尊を感じていたいという思いに成長した。

この身体を諸尊の住する本堂にしたい・・・・


真言修法の次第には膨大な数の身体加持(*)が説かれている。

浄三業・被甲護身に於ける五処加持。大金剛輪(maha cakra)の印による五処加持。金剛手菩薩が右胸に印を当

てるのはなぜか。小金剛輪にて五処及び頂上・大壇・本尊を加持するのはなぜか。不動剣印にて大壇の十方及び

自身の五処を加持するのはなぜか。土地神を祭るとき右膝を摩るのはなぜか。・・・等ゞ

特に大金剛輪、小金剛輪などは正にそのまま「cakra真言」というべきものである。

そしてこの度の如意輪観世音菩薩(シンタマニチャクラ)の出現
により、印度ヨガに示す7つのチャクラとその働き・身

体加持との因果関係に対するイメージを得た。


Cakra(チャクラ)は転法輪や光明輪と訳されているが、そのひとつひとつのチャクラに仏が宿り、我々を安定させ成

長させているのではないかと観じた。そこで仏菩薩の働き・色・三昧耶形から考察して各チャクラに配したのが、この

法輪曼荼羅である。まだ完全ではないと思われるが、仏の示唆を受けて完成を目指したい。


越法の謗りを受ける危険は承知しているが、今年(平成18年)の正月の三十六時間護摩の際 金剛蔵菩薩が現れ、

最後まで悩んでいた 左胸に安置する仏様を示唆された。またそのことで、この法輪曼荼羅が仏意(ぶっち)に適うに

違いないと確信した。

時代が進んんだとは言え 多くの迷信や儒教的な思想が日本仏教に入り込んでおり 真実の仏教 大日の教えを

広めるには難しい問題が残されている。しかし十三佛信仰のように何の根拠も無いが 簡単で便利なゆえに広く

根付いた例もある。仏を清らかな寺院で礼拝することも大切だが、己の身体の中に寺院を建立し仏を観じつつ、

日々の暮らしの一瞬一瞬を尊いものと成し、身を任せ安心を得られれば なにより仏の意に適うことと思う。


因みに金剛蔵王菩薩は胎蔵曼荼羅にて金剛部の主尊だったが、金剛手菩薩にその座を譲り、自らは強い神通力

を現して百八の手を持つ金剛蔵王菩薩となり虚空蔵院に移られた。 魂の成長の妨げとなる四摩や百八の煩悩を

催破し心を結界するために 左胸に居ます。 因みに蔵王権現は金剛蔵菩薩の権化である。


平成18年正月                                   沙門 勢弘 拝

追記

上記を書き記した数日後 正月二十一日初大師の勤行の中 蔵王権現のお姿を拝見し身の引き締まる霊験を得た。

ゆえに法輪曼荼羅の左胸には金剛蔵菩薩ではなく、金剛蔵王菩薩としてのお姿を配している。

思えば、如意輪観音様から蔵王権現まで一連の仏の御出現は、この法輪cakra曼荼羅完成のためだったのか。

この有り難い教えを広めることがなにより私の現在の使命だと信じる。



(*)加持とは、あたかも水面に月の姿が映るように、われわれ衆生の心に仏の念が加わり、それをしっかりと失くさないように受持すること。

Cakra Mandara
→Big SIze
→ 諸尊の詳しい説明

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秘密主よ、如何が菩提とならば
いわく 実の如く自心を知るなり

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