法輪花曼荼羅の諸尊


ヒトの心は魂がどこに住むかで変化する。そしてその住処がチャクラである。

チャクラは魂を法界と結びつけ、生命力に、愛欲に、創造力に、安定に、慈悲に、コミュニケーションに、静なる思考に、

そして宇宙へと転換昇華してゆくポイントとなっている。


(1)五大明王  仙骨

東:降三世明王。 南:軍荼梨明王。 西:大威徳明王。 北:金剛夜叉明王。 中央:不動明王。

頂上の五智如来、上半身の四菩薩・中央の薬師如来と符号して五大明王が配置されている。

梵名:アチャラナータは「動かない守護者、不動使者」を意味する。

注意力・集中力・直感から生まれる創造性を司り、恐怖や心配を取り除く。


(2)愛染明王   性腺

愛欲を司る明王。

真っ赤に燃える愛欲の炎に包まれ、ライオンの眼を持ち、強烈なエネルギーで人を前進させる。

理趣経の主尊で、欲望を清らかで純粋無垢なものにし、ヒトの欲望をそのままに菩薩行へと高めていく根本となる。


(3)地蔵菩薩  内臓

梵名: クシティガルバ。 クシティは地、ガルバは胎。大地を包蔵するの意である。

人の体内においては、物理的な身体エネルギーを管理し、脳に送り、知能へと転換する。

人の魂を支える基盤である。社会的には、家庭・地位・金銭などを司る。


(4)金剛手菩薩 胸

人の魂、本来の姿。

「汝 金剛サッタなり」・・・始めに言葉ありき・・・真言の僧は先ず始めにこの言葉を聞く。

「我は金剛サッタなり」という言葉から真言僧の修行は始まる。

真言の修行は菩薩になるためのものではない。己を菩薩と知ることから始まる!

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Vajrayanaの四季




(5)薬師如来 胸

一般に薬師如来は東方浄土の教主といわれ、瑠璃色の光の仏と云われている。

だが瑠璃の青色はアシュク如来と同じである。私は薬師如来は癒しの色、つまり深いエメラルドの光だと考える。

また胎蔵曼荼羅の仏の場所、中台八葉院にもその姿は無い。ではどこに居られるのか?

薬師如来は仏の場所、つまり「頂上」ではなく、人の「胸」の中にこそ居られるのだ。生きる人の魂の中に。

この曼荼羅は仏の真実を明かす。人の心の中に仏は居ます。

胎蔵界曼荼羅は、体蔵界曼荼羅であり、その主尊は実は薬師如来、つまりわれわれ衆生の心だということを

この曼荼羅は伝えている。

真奥の秘密、仏の心はわれわれ衆生の心であるということ!


(6)金剛蔵王菩薩 左胸

身青黒にして百八のお顔と百八の手を持つ。

心を邪悪な霊より魂を決界し、守護する頼もしい菩薩。右胸の金剛サッタの果徳を現す尊である。

修行の苦しみはヒトを成長させる。だが邪悪な魔は魂を食らう。そこから生じる苦しみと成長は無縁である。

心を守るにはこの尊の守護が不可欠である。よって真言僧はこの尊の真言と印を何よりも先ず受けるのである。


(7)如意輪観自在菩薩

まさにこの曼荼羅のイメージを頂いた菩薩。梵名シンタマニ チャクラ 
cinta mani cakra

真言のハンドマは蓮華、チンタ・マニは如意・宝珠、チャクラは法輪、ジンバラは光明。

人を霊性へと導き、法界へとつながる方法(コミュニケーション)を伝授する。

6本の手を持ち、右膝を立て、両足裏を合わせる輪王座という姿勢をとっておられる。



(8)虚空蔵菩薩

脳を司り、虚空(宇宙=仏)の知恵を電撃的に授け与える尊である。

空海が僧となり原野を駆け巡り岸壁をよじ登り岬で祈りながら修行をしたのが「虚空蔵求聞持法」であった。

その本尊こそ天空に輝く金星である。この明星を虚空蔵菩薩として1日1万遍、100日で100万遍、この真言を称え、

悟りを得たのである。梵名: アーカーシャグルバ


(9)五佛

五佛とは東方 発心/アシュク如来、南方 修行/宝生如来、西方 菩提/阿弥陀如来、北方 涅槃/釈迦如来
「中台八葉院」

虚空蔵菩薩

如意輪観世音菩薩

薬師如来

金剛手菩薩

金剛蔵王菩薩

地蔵菩薩

大威徳明王    金剛夜叉明王
不動明王
軍荼梨明王    降三世明王

愛染明王

秘密主よ、如何が菩提とならば
いわく 実の如く自心を知るなり

− 「大日経」
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