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Vajrayana
の四季




平成19年5月16日     「邪」

 
恒例のご祈祷の最中、なぜか或る地元の政治家の方のことを思い出し、何気なくそちらの方に念を向けた・・・

突然一匹の邪鬼が本堂の中に飛び込んできた。西洋の伝説に出てくるゴブリンに似ている。

「トワイライトゾーン」という映画で旅客機の羽根を壊していた奴だ。

瞑想から出ると消えるのだが、目を閉じると何度でも現れる。そのたびに大笑いしながら本堂中を飛び回って

手に負えない。1〜2分以上暴れてから見えなくなった。

 何か大変な事が起こりそうな胸騒がして、その方のために数回ご祈祷をした。

数日後熊本から出ておられた大物の政治家が御自分の議員宿舎で自殺されたというニュースが飛び込んできた。

幸い、その方には何事もなく済んだが、その後半年もの間、世の中を異常な邪気で覆うこととなった。

 その年の年末清水寺の御住職が「偽」という文字を書かれた。僕ならば迷わず「邪」と書いたろう。



平成19年6月某日    死を迎える時

 最近お葬式をすると決まって思うこと・・・亡くなった方がその場に居られないことが多すぎる。

まだ病院やホスピスなどに留まって、病室や受付などをウロウロされているのだ。

お腹が減ったとか、最近身体がふらつきます・・などと生きているかのようなことを言われる。

四十九日の内に成仏されれば良い方。

 これはご自分が死を迎えていることを実感されていなかったことと、鎮痛剤や麻酔で心が閉じてしまうことが

原因だと思う。邪気に心を奪われていないのなら、つまり呆けていないのなら、ちゃんと成仏させてあげることが、

見送る者の責任だろう。

 生命が終わろうとするとき、それはとても大切な時間を迎えることとなります。静かに人生を思い返し、これ

からどこに向かおうとしているのか、思いを巡らす時間を作ってあげることが大切だと思います。



平成19年10月   スナック開店   

 
或る女性が空き店があったので借りてスナックを開店したいとお参りに来られた。その店は最近ママさんが

大水の川に落ちて亡くなったばかりだったので、覚えていた。しかもその方もそこに移ってすぐのことだった。

 ご祈祷すると、その方はすでに成仏されているようだったが、以前にもその店で亡くなったママさんらしき女性

がいることが分かった。どうやらその念が祟っているらしい。なんどか供養が必要だった。

・・・2度目のお参りのとき、その怨念らしき姿が僕の頭の中で、真っ赤な病巣を作ろうとしているのが見えた。

どうりで高血圧にも似た、頭全体が発熱しているような感じで、耳鳴りや頭痛が続いていたのだった。

何度か秋の山に登り冷たい滝で水行を繰り返したが、一向に良くならなかった。

3・4度目かの供養をしたとき、真っ赤に腫れていた2〜3個の病巣が枯れているのが見えた。怨念も感じられなく

なり、このご祈祷を終了した。


 
今現在、そのお店は不景気なこの町で珍しいくらい繁盛している。僕の頭痛も治まった。

ちなみに、この一件から身体の中の病巣などが見えるようになった。



平成19年10月6日  お四国巡礼遥かなり

 
ある熱心な大師信仰の総代さん(77歳)がその職を辞され、念願のお四国の歩き巡礼に旅立たれた。

それも引退されると時期を待たずに、8月の炎天下に!いくら毎朝山を登られ訓練を積まれてきたとは言え、

心配は尽きない。出発の前にお参りしたとき、路端に倒れ込んでおられるのが見えたからだ。

だが、仏様はたとえ路に倒れても意義があると言われていた。時折僕もその方の巡礼の成就を願いながら、

見守っていた・・・

 数ヶ月と数日後、その方の背中が大きく映り、肩を落としておられるのが見えた。家に行くと、膝を疲労

骨折して松葉杖をされて総代ご自身が出てこられた。残念でしたね、と言ったが内心ほっとした。

 たとえ何ヶ月掛かってもどれほどの灼熱地獄の道であっても、たとえ路に倒れて死んでもこの方は巡礼を止

めなかっただろう。お大師様に遭うまでは。だが一瞬にして膝が割れ、一歩も進めなくなられたのだ・・・

 その方にとってお四国巡礼しか、お大師様にお会いできるチャンスが無いように思われていたのだから・・・

 だが、僕は思う、己を捨てるための遥かなる巡礼の旅は むしろ日々の暮らしの中にあると。



 平成19年11月25日  仏を想う

 
仏を想うことは自分の中の完全無欠な良心と出会うことです。

欲望の真の姿を理解し、愛欲を清らかに満しながら調和させ、邪悪を消し去りながら、授かった夢と希望を

完成させようと生きていくことは菩薩の位にあります。

嫉妬し憎み怒り恐れ嘆くことは、魔物と出会うことです。

魔物と出会うことは、自分の心の中のエゴ 嫉妬、憎しみ、恐怖、怒りと向き合うことです。

仏も魔も己の中にあります。どちらを向き、どちらと成るか、自分で決めることです。

「通(つう)」(霊能力)は大なり小なり誰にでも少しの修行で身につくものです。でも信仰無き「通」は

邪や魔と通じ、魂を暗黒へと導き身を滅ぼすことになります。大好きな映画「スターウォーズ」の中で、

アナキン・スカイウォーカーがフォースの暗黒面に導かれ落ちてしまったように。


 
お大師様が「般若心経秘鍵」に


無辺の生死 いかんが能く断つ  
  ただ禅那(ゼンナ)正思惟(ショウシユイ)のみ有ってす

それれ仏法遥かに非ず、心中にして即ち近し、
  真如外(ホカ)に非ず、身を捨てて いずくんか求めん、
迷悟(メイゴ)我に在れば発心(ホッシン)すれば即ち到る。
  明暗他に非ざれば信修(シンジュウ)すればたちまちに証す


 と説かれたように、我々を導くものはただひたすら正しい瞑想と思惟のみなのです。



平成20年3月15日  ラサの暴動


 ラサで僧侶などの暴動10人死亡・・・の記事に凍りついた。

 チベットは中国の占領下といっていい状況にあり、不当な迫害を受け続けている。街角には小銃を持った中国兵が

20メートルおきに立ち、僧侶が仏に五体倒地の礼をする場合でも、複数であれば『何をしているんだ!』と飛んでくる

有様だ。チベットは監禁された国である。人々に生きる自由など無い。

 武力や恐怖で統治して国が栄えることは無い。いつまでこんなくだらないナショナリズムの亡霊に人間は翻弄され

続けるのだろう。いつまで人間の歴史を虐殺で血に染めていくのだろうか。


これは確実であるという証拠など無いのだが、チベットの僧侶達の霊は、自由を求めて愛する故郷チベットを離れ、

世界中に生まれ変わっている。

当寺の副住職の慈観はその1人である。

そして勢明もそうである。彼は日本に生まれ変った今現在も、前世の記憶無き恐怖に怯え、心に傷を負っっている。

ダライ・ラマが次に生まれ変わるとき、チベットが自由を取り戻し、平和であることを心から祈りたい。

そのために僕らが出来ることは何なのか・・・

 人の自由を無視した統治を続ける中国で、平和の祭典オリンピックが行われるが何の意味があるのか・・

ナショナリズムを鼓舞するオリンピックなど必要ない。ただ、選手が国のためじゃなく自由なひとりの人間として

精一杯のパフォーマンスを見せてくれるようにと願うのみ。

魂は国を超越し、人種を超越して生きる。このことを知る者は、自分の心と欲望に責任を取れる者である。

間違った世界観、権力、膨張した欲望に固執する者は、因果応報を理解せず、自分自身の思惟も洞察も無しに、

他人の価値観を鵜呑みにし、自分の魂の成長に責任が取れない者達である。


写真「時事通信」


平成20年4月1日   都井岬の主・・・海の精霊 


 そのとき僕は都井岬の荒波の打ちつける断崖に座っていた・・・

光り輝く海を渡ってくる風に吹かれ、荒波の砕ける荒波の美しさに魂を奪われていた。

僕の座る巨大な岩の隣には小さな滝が10メートルほど落ちて海に流れ込んでいる。

その夜ベッドに横たわりいつものようにそっと瞑想した。そのとき再び僕はその岬に居た。

隣に12歳位の女の子が座っていた。昼間そこに居るときは気づかなかったが・・・ここで亡くなった霊らしかった。

数日後供養した。

そしてもう1人・・・近くに御祭りしてある神社の主だろう、ヤンキーっぽいお気楽な様子の白い精霊、後に稲荷であると聞いた。まだ若い。

 突然物凄い波が押し寄せて来た。それは僕の真上まで来て止まり僕の座っている岩全体が真っ暗になるほどだった。

そして・・・波の中から巨大な魚が現れた。

マグロに似ているが縦に2メートル以上はあるかと思われる巨大な顔。お顔だけで5メートルくらいか・・・

両側に巨大な眼が二つ、大きく開いた口に巨大な歯が何十本も並んでいる。正面の2本の牙が40センチくらい。真正面からこちらを見ている。

この巨大な魚の精霊がこの岬の真実の主に違いない。

最初にこの岬神社に来たとき、ここに漂うジュラ紀のような空気に感動を覚えた。以来毎年足を運び続け、10年以上経った。

それは、彼に会いたかったのかもしれないと今思う。海の精霊。

東国原知事じゃないけど、一度この岬神社に行き、彼に遭ってみて欲しい。信じられないくらいの元気をもらえると思う!

その後も、家に帰ってからコタツの中でぼんやりしていると、大波が来て溺れそうになったりした。

 詳しく鳥居の横の記銘碑を読むと「綿津見」と書かれていた。わたつみ・・・ワダツミ!

海神様だったとやっと理解した。恥ずかしい話だ。頭部しか見えなかったので海神様だと分からなかった・・・。

絵に描かれた竜神には巨大な二股の角があるが、記憶に無い。見えていたのなら竜だと分ったはず。

眼も正面向きに並んでいるのではなく、横に付いていたと記憶している。

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