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Vajrayana
の四季
平成23年1月14日   「殺人現場のラビリンス」


 (非常にショッキングな内容を含んでいます。)


 このことを思い出すと僕も空恐ろしくなるのだが・・・。後輩に残しておかねばならないと思うので、書き記す。

ある産業廃棄物処理場の現場、土地拡張のためご祈祷を依頼された。時間が押していたせいもあり、かなり慌てて御祈祷した。

国道沿いだがかなり辺鄙な場所で、薄気味悪かった。巨大なスズメバチが目の前を飛び回り、参列の方々も恐れおののいていた。

古い墓地が近くにある。なぜか石地蔵がその土地の真ん中ほどに置いてあった。

 お参りが終わると早々に帰り、次の御祈祷に入った。何か現場の皆さんに伝えておかねばならないことがあると思ったのだが・・・言葉にならなかった。

その晩、再び僕はその土地に居た。そこには7・8メートル四方のジャングルジムのような迷路が建っていた。

どこもかしこもクリスタルや金箔の煌き、色鮮やかなオブジェ、あたかも巨大なディスコを全部その中に押し込めたような感じだった。

ゴージャスな迷路を這い回って抜けていくと、目の前に数珠のように大きく真っ赤なクリスタルが下がっている。

見上げると、等身大の女性のオブジェが取り付けられており、真っ赤なクリスタルはその首や身体から下げられているように見えた。上半身、裸。

その時、つなぎ止められたクリスタル1つつが、スーッと紐をつたって下に落ち始めた・・・

途中から血の粒となって・・・。

見上げると女性のオブジェの目が動きこちらを見つめていた・・・。

 ・・・このときやっと、僕はここがなんなのか理解できた。     ・・・殺人現場

 犠牲者はあの女性だろう。理由も分からず、理解も出来ないまま、取り残された魂が出口の無い迷路を創り上げているのだ。

自縛の霊の心の中に居た。

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